@article{oai:kawasakigakuen.repo.nii.ac.jp:02000067, author = {青木 健太 and Kenta AOKI}, month = {2024-03-29}, note = {嚥下障害患者に対する干渉電流型低周波治療器の嚥下機能に関わる反射の改善効果 研究目的:言語聴覚士が行うリハビリテーションの一つに、嚥下障害患者に対する摂食嚥下リハビリテーションがある。嚥下障害は、加齢に伴うものや疾患によっても引き起こされるため、病院や施設等でST が幅広く関わる機会があり、専門性が求められる分野の一つである。一方で近年新しい摂食嚥下リハビリテーションとして、電気刺激療法が注目されている。神経への感覚入力を目的とした干渉電流療法(Interferencial urrent therapy:以下、IFC)である。IFC は2 種類の異なる周波数の電流を組み合わせることで、新たに合成された電流を発生させ、筋肉より深部の神経に刺激を加えることが可能となる。IFC の治療機器として、Gentle Stim(フードケア社、以下、GS)が発売されており、このGS は干渉波を用いて頸部の感覚神経を刺激するもので、嚥下反射の誘発あるいは気道防御力を向上させるといった目的がある。IFC がターゲットとする嚥下咽頭期について、それぞれ3 つの反射を同時に調べた検討はなされていない。本研究の目的はIFC の使用によって、3 つの反射が改善するのかどうか,さらにそれら反射の改善と嚥下機能の改善を調べ、嚥下障害患者に対するIFC の効果を明らかにする。 対象、方法:対象者は2022 年10 月から2023 年11 月に医療法人裕紫会中谷病院に入院し、摂食嚥下リハビリテーションの指示があった患者を対象とする。患者は、刺激群とSham 群の2 群にリハビリテーションの指示順に連続的に振り分けた。刺激群10 名、Sham 群10 名の合計20 名を対象とした。測定項目として,反射項目(嚥下反射、咳嗽反射、咽頭反射)、嚥下機能評価(反復唾液嚥下テスト、舌圧、FOIS、藤島嚥下グレード)を実施した。測定評価後,言語聴覚士による間接・直接嚥下訓練に加え、IFC の治療機器、干渉電流型低周波治療器を30 分間使用した。頻度は1 カ月間行った。施行後再度測定評価し、改善度を比較検討した。刺激群・Sham 群のGS 刺激前後の群内差比較は、ウィルコクソンの符号付順位検定、刺激群・Sham 群の群間差比較はマンホイットニーのU 検定を行った。すべて測定項目における有意水準は0.05 未満とした。 結果:刺激群の反射項目では嚥下反射の測定値で、有意な改善を認めなかった。一方で、咳嗽反射(咳潜時、咳頻度)と咽頭反射で有位な改善を認めた。Sham 群では、反射項目で有意な改善はみられなかった。刺激群の嚥下機能評価では、RSST、舌圧、FOIS、藤島嚥下グレードすべての項目で有意な改善がみられた。Sham 群は、RSST、FOIS、藤島嚥下グレードで有意な改善を認めた。 考察、結論:IFC に関する咽頭反射に対しての直接的な影響についてはこれまで明らかとされていない。その中で本研究では、刺激群の咽頭反射項目で有意な改善がみられた。IFC がターゲットとする上喉頭神経内枝は舌根や喉頭蓋、喉頭粘膜の感覚機能を司っており、過去の報告から、本研究で有意な改善を認めた咽頭反射と咳嗽反射は閾値の設定に差はあるものの様々な原因で相関して動いているといわれている。IFC 刺激が咽頭反射への感覚向上に関与した可能性が高いと考えられる。一方で、嚥下機能評価にて、刺激群はすべての項目で有意な改善を認めた。これは、IFC 刺激と従来の嚥下リハビリテーションの施行は、有用である可能性を示唆した。}, title = {嚥下障害患者に対する干渉電流型低周波治療器の 嚥下機能に関わる反射の改善効果}, year = {} }